此の児人(しょうじん:少人)は、美道 二葉の時より松島や小島の蜑(あま)のぬれにやさしく、情ふかく、一座気たかく、酒すぐれて呑こなし(*)、文など是につゞきてまねする子もなし。…… ひとつひとつ能(よき)事を見習ひ、萬(よろづ)につけていやしからず。(『本朝若風俗(男色大鑑)』巻七、女方も為なる土佐日記)
  二葉:幼少
  松島や小島の蜑の月にだに影を汲むこそ心あれ(謡曲・松風)
  見せばやな小島の蜑の袖だにも濡れにぞ濡れし色は変わらず(千載集・殷富門院大輔)
  酒: 『催情記』に「酒はのまぬがよし」とも。
  つゞきてまねする子もなし:続く者がいないほど卓越している。

「美道」は若道または衆道ともいう。
→ 美道とは何か



「江戸の12ヵ月」の項目は、旧暦を基本にしたため、「おさのの物語」の節分は年末ということになりました。ただし、梅雨は旧暦5月なのですが、当面は便宜的に6月の項目に入れておきます。。
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